景品表示法における不当表示の3類型

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不当表示の類型

景品表示法は、一般消費者に誤認される表示について、以下の3類型に分けて規制しています(景品表示法第4条第1項第1号、第2号、第3号)。

  • 優良誤認表示の禁止
  • 有利誤認表示の禁止
  • その他 誤認されるおそれがある表示の禁止

優良誤認(4条1項1号)

商品又は役務の品質、規格その他の内容についての不当表示

  1. 内容について、実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に示す表示
  2. 内容について、事実に相違して競争事業者に係るものよりも著しく優良であると一般消費者に示す表示

禁止されている「優良誤認」とは?

景品表示法第4条第1項第1号は、事業者が、自己の供給する商品・サービスの取引において、その品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、
(1) 実際のものよりも著しく優良であると示すもの
(2) 事実に相違して競争関係にある事業者に係るものよりも著しく優良であると示すもの
であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示を禁止しています(優良誤認表示の禁止)。

過失でもNG

具体的には、商品・サービスの品質を、実際よりも優れていると偽って宣伝したり、競争業者が販売する商品・サービスよりも特に優れているわけではないのに、あたかも優れているかのように偽って宣伝する行為が「優良誤認表示」に該当します。
なお、「故意」に偽って表示する場合だけでなく、「過失」のよって表示してしまった場合であっても、優良誤認表示に該当する場合は景品表示法により規制されることになります

調査を受けたら行政書士に相談を

優良誤認表示を効果的に規制するため、消費者庁長官は、優良誤認表示に該当するか否かを判断する必要がある場合には、期間を定めて、事業者に表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができます。
事業者が求められた資料を期間内に提出しない場合や、提出された資料が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものと認められない場合には、当該表示は不当表示とみなされることになります。

資料の提出を求められた場合には、行政書士にご相談下さい。資料作成や説明について代理人として対応いたします。

景品表示法第4条第2項

内閣総理大臣は、事業者がした表示が前項(第4条第1項)第1号に該当するか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該表示をした事業者に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該事業者が当該資料を提出しないときは、第6条の規定の適用については、当該表示は同号に該当する表示とみなす。

有利誤認(4条1項2号)

商品又は役務の価格その他の取引条件についての不当表示

  1. 取引条件について、実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示
  2. 取引条件について、競争事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示

価格を著しく安くみせかけるなど

景品表示法では、商品やサービスの価格などの取引条件について、実際のものや事実に相違して競争事業者のものより著しく有利であると一般消費者に誤認される表示を有利誤認表示として禁止しています。

簡単にいうと、「これはとってもお得だ!」と消費者に思わせておいて、実際にはそうではない表示のことをいいます。

二重価格表示は禁止

例えば、有利誤認表示の一つとして不当な二重価格表示を禁止しています。事業者が自己の販売価格に当該販売価格よりも高い他の価格(以下「比較対照価格」といいます。)を併記して表示することを二重価格表示といいます。二重価格表示は、その内容が適正な場合には、一般消費者の適正な商品選択に資する面がありますが、比較対照価格の内容について適正な表示が行われていない場合には、有利誤認表示に該当するおそれがあります。

 

誤認されるおそれのある表示

商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがあるとして内閣総理大臣が指定する表示

景品表示法に基づいて、6つの告示

景品表示法上、事業者は、優良誤認表示及び有利誤認表示以外にも、自己の供給する商品又はサービスの取引について、商品又はサービスの取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示を行ってはならないとされています。

これは、優良誤認表示や有利誤認表示だけでは、複雑な経済社会において、一般消費者の自主的かつ合理的な商品又はサービスの選択を妨げる表示に十分に対応することできない場合があると考えられるためです。

景品表示法では、同法の運用機関である消費者庁の主任の大臣たる内閣総理大臣に、不当表示を指定する権限が付与されています。

  1. 無果汁の清涼飲料水等についての表示
  2. 商品の原産国に関する不当な表示
  3. 消費者信用の融資費用に関する不当な表示
  4. 不動産のおとり広告に関する表示
  5. おとり広告に関する表示
  6. 有料老人ホームに関する表示

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