「一般消費者に誤認される表示」とは

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 不当表示の要件のうち,「一般消費者に誤認される表示」とは,世間並みの常識のある消費者が,表示から受ける印象,期待感と実際のものとの間に違いがあることをいいます。

 表示と実際のものとの形式的な食い違いではなく,表示から受ける一般消費者の認識と実際のものとの食い違いがある場合に不当表示となるおそれがあります。

 虚偽表示と不当表示とは異なった意味をもっており,不当表示の方がより広い範囲をさしているといえます。

 ごく一部の一般消費者の勘違いや無知から誤認を生ずるような場合には,不当表示にはなりません。需要者が限定されている商品の場合(たとえば,子供向け商品)には,当該需要者(子供)一般に誤認されるかどうかが基準となります。

 一方,事実とは違う表示であっても,だれもが本気に受け取るおそれがない宣伝文句などは,消費者を誤認させることにはならないので,不当表示とはなりません。

 表示を行う者の意図はもちろん,その故意・過失は,不当表示の成立要件ではありません。積極的に表示されているものだけでなく,表現しないこと(不表示)により誤認される場合にも,不当表示になりえます。

 事業者に対する虚偽・誇大な表示は,直接的には景品表示法の対象ではありません。ただ,その表示によって競争者の顧客を自己と取引するように不当に誘引すると認められれば,独占禁止法に基づく不公正な取引方法(一般指定8項)として規制されます。

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